
技術革新などに伴い、社会構造も急速に、かつ大きく変革しており、予見の困難な時代の中で新たな価値を創造していく力を育てることが必要です。そのためには、『学力の3要素』(1.知識・技能、2.思考力・判断力・表現力、3.主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度)を育成・評価することが重要であり、高校教育・大学入試・大学教育の3点を一体的に、改革を進めていく必要があります。こうした考え方から、2021年度入試(2021年度入学者)から新しい入試制度が実施されます。
入試区分については、多面的・総合的な評価の観点からの改善を図りつつ、各々の入学者選抜としての特性をより明確にする観点から、次のように名称が変更となります。
高校の成績も重視主体的な学習活動報告
高校生の学びの基礎診断
面接・小論文
①2019年度から実施予定(試行)国語・数学・英語の3科目 ②高校が受ける時期や回数を選択(校内実施)出願開始8月→9月以降/合格発表→11月以降
大学入学共通テスト(思考力・判断力)
英語民間試験(4技能)
大学独自試験
受験生ポートフォリオ
現行のAO入試の調査書出願書類に加え、新たに学力評価を義務づけされます。
少なくとも下記いずれか一つの活用を必須化することとしています。
志願者本人の記載する資料(例:活動報告書、入学希望理由書、学修計画書等)を
積極的に活用する。出願時期は9月以降(現行8月)、
合格発表時期は11月以降(現行では設定無し)となります。
また、変更する観点は以下のとおりです。
推薦書において
出願時期は11月以降(現行通り)、合格発表時期は12月以降
(現行では設定無し)になります。
また、各時期を設定した観点は以下のとおりです。
推薦書において
一般選抜の入試時期については、大学入学共通テストは1月に実施され、
国公立大、私立大学は従来の日程で実施される予定です。
高大接続改革を踏まえ、「大学入学共通テスト実施方針内容」を取りまとめました。
大学入試センター試験との大きな変更点としては、マークシート式問題における知識の深い理解と思考力・判断力・表現力を重視した作問への見直し、記述式問題を国語と数学で導入、英語4技能評価を重視し民間の資格・検定試験の活用も可能となりました。
名称 | 大学入試センター試験 | 大学入学共通テスト |
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実施年度日程 | 2019年度まで | 2020年度から |
日程 | 1月中旬 2日間 | 1月中旬 2日間 |
出題教科・ 科目 |
6教科30科目 | センター試験と同じ ※2024年度〜簡素化を検討 |
出題形式 | マークシート式 |
数・国で記述式を導入
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英語 | 2技能を評価 (Reading / Listening) |
4技能を評価、民間の試験を活用 |
成績結果・ 提供方法 |
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※2017年7月 文部科学省「大学入学共通テスト実施方針」より
大学入学共通テストの出題として「思考力・判断力・表現力」を中心に評価がなされます。特に、「自ら課題を発見し、答えが一つに定まらない問題に解を見出していくために必要な諸能力」が重視され、それらの諸能力を評価する作問が、各教科・科目について検討されています。また、他の教科・科目や社会との関わりを意識した内容など、教科を越えて知識・技能を活用することが求められる出題も想定されています。
出題形式についても、「思考力・判断力・表現力」をより適切に評価するために、センター試験のように複数の選択肢の中から1つの正解を選ぶ形の問題だけでなく、記述式の問題や、多数の正解があり得る問題など、多様なパターンの出題が導入されます。
正解が1つ
試行錯誤してその正解にたどり着く
これまでの入試問題の設問形式
学んだ内容を整理し、記述回答
入試問題の傾向が
大きく変わる
正解が1つでない、正解がない問題に対して
手持ちの知識でどれだけ回答できるか試される
これからの入試問題の設問形式
英語については、「話す」「書く」「聞く」「読む」の4技能を重視する観点からの出題が検討されており、これまでのセンター試験では出題されなかったWriting(書く)・Speaking(話す)の技能も評価対象とすることが方針として示されましたが、特にSpeaking(話す)を評価することが難しく、現状の大学入試でも広く活用されている外部検定試験を枠組みとして活用する事となっています。
大学入学者選抜で英語4技能評価を実施する資格・検定試験は、学習指導要領との整合性、CEFRに対応した段階別成績表示、実施場所の確保、セキュリティや信頼性など試験内容・実施体制等が入学者選抜に活用する上で必要な要件を満たしている必要があります。資格・検定試験の結果については、CEFRの6段階別評価と併せて提供し、基本的には大学や大学団体の判断で活用していただくこととなります。
早期に合格が決定した後の学習意欲を継続する観点から、
以下のような内容を促進することとしています。
例:入学予定者に対して大学入学までの学習計画を立てさせ、その取組状況等を高等学校を通じて大学に報告させる等。
2021年度入試改革に関する各大学の情報は、以下大学HPより詳細をご確認ください。
(発表次第、随時リンク先を公開致します)